呼吸リハビリテーションを知っていますか?


リハビリテーションとは?

 人は生きている限り止むことなく息を吸い、吐き続けます。 体の細胞が生きるための
酸素を取り込んでいるためです。ではもし、この呼吸運動に問題が起きたらどうなるの
でしょう??
 酸素は肺が膨らむことで体内の血液に取り込まれます。しかし、肺自体は自分の力で
膨らんだりしぼんだりすることはできません。肺を囲む肋骨・胸骨・鎖骨などの胸郭と
横隔膜の動きで膨らまされているのです。つまり胸郭や横隔膜のどこに問題が起きても
肺は膨らみにくい状態になるわけです。
 一方、私たちは、「ため息をつく」、「深呼吸する」、「息をこらえる」といったように、
胸郭を大きく動かしたり、動きを止めてみたりと、呼吸を自分で調節することができます。
 呼吸リハビリテーションとは、この胸郭の動きを改善し、効率のよい呼吸法を習得し、
日常生活や就労、趣味活動などが送れるようお手伝いすることです。



当院での呼吸リハビリテーションの関わり

  1. 呼吸器(気管支・肺など)に障害のある方に対して行われます。まず、呼吸パターン
    を 評価し、問題となる胸郭の硬さや筋肉の緊張をほぐして、効率のよい呼吸を身に
    つけます。その呼吸法を、動作の中で自然に使っていけるよう、指導、練習を
    します。
  2. 胸部や腹部の手術を行う場合、全身麻酔が必要となります。数時間人工呼吸器を
    使用すると、無気肺(酸素交換の行われない場所)や痰の増加などが起こりやすく
    なります。術後肺合併症(主に肺炎)を予防するために、術前から呼吸筋強化や
    腹式呼吸の練習などを行い、術後は痰を出す手伝いや、呼吸の介助、早期離床の
    お手伝いをします。


自 分でできる呼吸法! 〜腹式呼吸〜

1)腹式呼吸とは
横隔膜呼吸のことを言います。息を吸うときには、図の
ように肋骨が拡がり、横隔膜は下に移動します。こうする
ことで、肺 の中により空気が入ってきます。息を吐くとき
には、肋骨も横隔膜も元に戻り、肺の中の空気も外に
出されます。この横隔膜の動きによる呼吸を腹式呼吸と
言い ます。
腹式呼吸

2)腹式呼吸の習得法
  1. 椅子の背もたれに寄りかかり、口からゆっくりと息を
    吐きます。その際、両手でお腹(右図点線部:みぞ
    おちの下、肋骨の下)を軽く押さえ、力を抜いて
    上半身 を少し丸めます。
  2. 鼻からゆっくり時間をかけて息を吸います。両手を
    ゆるめ、上半身を起こしながら徐々にお腹(みぞ
    おちの下、肋骨の下)が膨らむようにします。
  3. 再度、息は止めずに、口からゆっくりと時間をかけ
    て吐きます。お腹が徐々にへこむようにします。
    力を抜いて自然に息が漏れるようにし、いつもより
    も少 し長めに息を吐きます。

はじめは、吸う:吐くのリズムを1:1.5〜2にします。
 慣れてきたら、吐く時間をのばします。
※呼吸はあくまで自然にされるものです。一生懸命に
 行うと、他のところに力が入ってしまい、効率よく腹式
 呼吸ができないので、決して力まないことです。
習得法

3)腹式呼吸はこんなところにも使われている!
腹式呼吸をすると、副交感神経の活動が 活発になり、交感神経の活動は抑えられます。

・リラクゼーション
 気持ちが高まっている時や、ストレスがたまったときに行うと、リラックスし気持ちも落ち
 着きます。
・血圧低下
 当院ではリハビリ開始時に血圧を測定します。高めの方は体を休ませ、腹式呼吸と
 息を長く吐くことで血圧が安定し運動を始められることがあります。
・発声時
 横隔膜を使う腹式呼吸では少ない労力でたくさんの酸素を取り込むことが出来ます。
 このため、一度の吸い込みで大きく長く声を出したい場合、この呼吸が有効です。
・便通の改善
 普段から腹式呼吸を行うことで、自律神経のバランスを良くし、腸の蠕動(ぜんどう)
 運動を正常化させます。また、横隔膜の動きで内臓をマッサージする効果があり、
 便意が起こりやすくなるとも言われています。


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